三重県警察

「県民と共に築く安全で安心な三重」の実現

亀山警察署  第4回

1 日時
平成29年2月8日(水)午後3時50分~午後5時00分
場所
亀山警察署3階会議室
2 出席者
1 警察署協議会(5名)
井上武委員、今井俊積委員、中島徹委員、根本寛子委員、福島富士子委員
2 警察署(7名)
署長、副署長、生活安全課長、地域課長、刑事課長、交通係長、事務局1名
3 傍聴者
無し
4 公開・非公開の別
公開
5 1 三重県交通管制センターの視察
2 三重県警察年頭視閲式臨席結果の報告(今井委員)
3 管内概況説明等(署長)
4 高齢運転者対策の概要の説明(交通係長)
5 主な協議
<委員>高齢運転者に対する検査や講習などの認知症対策が強化されるという説明があった。資料によると、65歳以上の高齢者が人身事故に占める割合は20数パーセントで、亀山市の高齢化率も20数パーセントだったはず。特に高い数字なのか。また、亀山市内の事故で、高齢運転者による大きな事故はあったのか。
【署長】昨年中、高齢運転者の事故では、自転車乗用中の高校生に衝突する事故があったが、大事故と言うほどのものではなかった。
<委員>明らかに認知症が原因で発生したと思われるものはあるのか。
【署長】昨年の事故で、認知症が原因とされたものはなかった。ただ、高齢者講習というものは、認知症に限らず、加齢による身体機能の低下が及ぼす影響を自覚してもらうためにある。県下的に見ると死亡事故は高齢者の率が高くなる。お手元の資料にもあるが、全国的な統計では、平成26年に75歳以上の死亡事故が若年者の死亡事故を上回っている。
<委員>高齢者の運動能力の問題ではないか。
【署長】ニュース報道などにもあるように、全国的に、認知症の運転者による重大な事故が増加している。全国的な問題として、認知症対策が求められているため、今回の道路交通法の一部改正において認知症対策が強化されたものである。必ずしも認知症が原因となる事故の発生率が高い訳ではないが、今後、さらに社会の高齢化が進めば、高齢運転者の事故防止対策はますます重要になってくると思われる。警察では、運転免許証の有効期限内に免許証を自主返納した人に対して「運転経歴証明書」というカード型の運転免許証そっくりなものを発行している。「運転経歴証明書」を持っていると、例えば三重交通のバス料金が割引される。三重交通では、さらに今後も新たな取組を進めていくものと思われる。「運転経歴証明書」を提示すると乗り放題の「パスポート」を安く買うことができるというものや、その場で料金を半額割引するというものなどである。三重交通のパスポートがあれば、ほとんど県内どこにでも行くことができる。亀山市でもコミュニティバスが運行しているが、「運転経歴証明書」で割安になるという制度はない。
<委員>他の自治体の取組はどうか。全国的に見た場合、まだまだ少ないものか。
【署長】自治体から委託されて、タクシー会社がマイクロバスを運行しているという例は、県内でも聞いたことがある。
<委員>亀山市では、タクシーチケットの制度がある。75歳以上で市に申請すれば、毎年1万円のタクシーチケットがもらえる。返納することによって何かメリットがあれば、免許証の自主返納も、もっと進むと思う。
【署長】運転免許証の自主返納に優遇措置をとるのは、もともと免許を持っていない人にとって不公平ではないか、という意見もある。今後、ますます高齢化社会が進み、認知症に限らず、高齢運転者による交通事故を抑止するためには、自主返納を進めていくための様々な取組が必要となる。コミュニティバスなど公共交通機関を充実させて、高齢者が運転しなくてもすむ社会環境づくりを目指していかなければならないと考えている。
<委員>自主返納した人が、免許は返納したが車は残してある、と聞いたことがある。自分は運転はしないが、子供や孫が来たときに使わせるために残してあるらしい。
【署長】免許証の自主返納に関して多い相談は、家族が返納を勧めても、本人が了承しないので、警察から説得してほしいというものである。
<委員>亀山市のような田舎では、車がないと本当に生活に困る。
【署長】歩くことが困難になったので、車に頼るようになった、という話もある。足で歩くことが大変になっても、車なら座って運転して移動できる。車から降りるとヨロヨロして満足に歩けない。このような場合は、運転すること自体が危険であり、自主返納していただきたい。
<委員>「運転経歴証明書」は、半永久に使えるものなのか。
【署長】「運転経歴証明書」は運転免許証ではないので更新の必要はない。過去に運転免許証を持っていたということを証明するだけのものである。写真がついているので、本人確認など身分証明書としても使うことができる。
<委員>高齢化社会の話があった。一般の運転者もそうだが、タクシーの運転手など職業運転手も高齢化している。職業運転手などに対するチェックはどうなっているのか。
【署長】業務として人を運ぶタクシーの運転手などの免許は二種免許というが、法律等で定められた免許制度の中でチェックしていくこととなる。例えば、視力検査でも、一般の検査より厳しい基準となっている。
<委員>少年犯罪が減少したとの説明があったが、喜ばしいことだと思う。何か、効果的な施策が行われたなどの原因があるのか。
【署長】特に効果的な施策があったという訳ではなく、警察としても、防犯パトロールや、少年非行防止のための講話などいろいろ取り組んでいるが、実際問題として、外へ出る子供が少なくなったことが原因ではないかと考えている。暴走族も同じことが言えると思う。完全にいなくなったわけではないが、昔のように大集団で暴走することはなくなった。若者の車離れなども言われているが、インターネットやテレビゲームなど室内でできる遊びの種類が増えて、外へ出なくなったのが原因ではないかと思っている。
<委員>少年の犯罪は、今後も減っていくと考えているのか。
【署長】そう思われる。今後も、行政全体で体制をとって、いろいろなフォローをしていくが、近年は、不良行為など荒れてしまいそうになる前に、カウンセリングや指導を行い、可能性を潰していっている。そのような一つ一つの取組のトータルで、減っているものと思う。
<委員>他の地域でも同じ傾向にあるのか。
【生活安全課長】県下的にも同様に減少している。
<委員>少年犯罪が減ることは良いことであるが、テレビや新聞などを見ていると、最近は、異質な犯罪が増えてきているような気がする。
【署長】特異な犯罪は、大きく取り扱われて報道されやすいので、目立つ印象がある。少年の健全な育成には、健全な家庭環境が不可欠であるが、児童虐待などが増えて、少年の健全な育成を阻害している。生い立ちや家庭環境に問題のある少年が成人して、特異な犯罪を引き起こすこともある。
<委員>道路交通法の改正について、当事者である高齢運転者に対する周知は行っているのか。
【署長】法案が成立した昨年来、新聞やテレビなどで取り上げられ、報道されていた。
<委員>自治会や地区のコミュニティ単位などでの広報は行っているのか。
【署長】特に今回の法改正だけを対象にした広報を行っているわけではない。通常の交通安全講習などで周知を図ったり、免許証更新時の講習でも教養を行っている。
<委員>うちの親が、その歳になるので、心配である。
【署長】交通違反をしないことが一番大事である。18項目の「一定の違反行為」をすると「臨時認知機能検査」の対象となる。免許更新時の認知機能検査はこれまでにもあり、対象者全員が受けていた。もし交通違反をしたとしても、臨時検査の結果、認知症のおそれがないと判断されれば良い。
<委員>認知機能検査は、病院でもやらないといけないので、医師の先生方も講習を受けたと言っていた。絵の検査は難しい、と言っていた。
<委員>検査の結果、認知症のおそれあり、と判断された時の医師の診察や診断書の費用は実費負担なのか。
【署長】指定医であれば、補助の対象となる。かかりつけの医師に頼んだときは対象とならない。健康保険の対象ではない。
<委員>臨時認知機能検査は、警察が行うのか。
【署長】警察ではなく、委託を受けた自動車学校で検査を受けてもらうこととなる。
<委員>その検査にも実費がかかるのか。
【署長】高齢者の場合、高齢者講習も含めて費用はかかる。
<委員>病院でも、同じ検査をやる。「今日の日付」から尋ねる。「長谷川式」とかいう検査である。
【署長】先日、テレビでも、検査で認定するのは難しい、と言っていた。
<委員>検査にもあるが、認知症の人は、日付けは結構、飛んでしまう。ここで判断できる。
<委員>高齢者の方は、実際に日常生活に日付はあまり、関係ないのではないか。
<委員>認知症が進んでも、日常生活はできる。長く暮らした家で、どこになにがあるのか分かっていれば、朝目覚めて、自然に廊下を歩いて起きてくることができる。一緒に暮らしている家族には分からない場合が多い。他人から見れば明らかに認知症が進んでいるにもかかわらず、毎日、ちょっとずつずれていっていると、家族には分からない。ある入院患者の夫は認知症で、車の運転はできるけれども道が分からなくなってしまった。それで、妻がいつも横に乗って、道順を指示していた。これは説得して、免許証を返納させた。
【署長】道が分からなくなっても、アクセルやブレーキなど体が覚えている運転操作はできる、ということだろうが、周囲の状況判断など必要な能力が低下している危険な状態であることに変わりはない。
<委員>皆さんも団地の中で駐車すると、同じような家ばかりで、どこに停めたか分からなくなってしまうことがあると思うが、認知症の人はそんな時には、車を盗まれたと思って被害届を出す。
<委員>高齢者の事故については、認知症より運動能力や判断能力の低下の方が問題ではないのか。高齢者講習などで運動能力の低下が分かった場合、そこで免許証の更新を取りやめることはできないのか。私の母の場合、判断能力が低下していると感じている。日付を覚えているかどうかより、とっさの運転技術や判断能力の方が事故防止に必要ではないか。高齢運転者の事故防止対策が、認知症ばかりに偏りすぎているように感じる。
【署長】マスコミにもその論評はあった。動体視力や歩く速度の衰えもある。個人差もあるが、運動能力の低下が車の運転に与える影響は大きい。認知症が高齢者の事故のすべての原因かと言うとそうではない。
<委員>マスコミなど、高齢者が事故をすると認知症ばかりのように報道される。
【署長】週刊誌に、「高齢者てんかん」という病気の記事が載っていた。認知症ではなく、高齢者が一時的に意識をなくす病気らしい。高齢者の交通事故といっても、いろんな原因がある。認知症ばかりではない。亀山市でも、2年前には高齢運転者がコンビニに突っ込んだ事故があったが、認知症ではなかった。
<委員>身体能力の劣った人に自覚を促す機会も必要ではないか。
【署長】更新時の高齢者講習の結果や、何度も交通事故を起こしたり、家族から相談があったりした場合、明らかに身体能力に問題があるようであれば、適性検査を受けてもらって免許証を取り消すなどの行政処分を行うこともある。家族も、運転を見ていてあまりにも不安なら、自主返納を促していただきたい。
<委員>自動運転などで、車が勝手に動いてくれる時代になれば事故も減るだろう。自分も含めて歳をとってから運転しなくてすむようになれば、ありがたい。
【署長】障害物に対してブレーキを補助する技術はすでに実用化されている。自動運転で衝突を回避したり、目的地に連れて行ってくれたりする技術は、10年もすればさらに完成されてくるだろう。
<委員>GPSによりピンポイントで場所が分かる時代になった。車もGPSで連れて行ってくれれば良い。期待したい。
<委員>先日、警察にも相談させてもらったが、警察を名乗る振り込め詐欺の電話が私の母のところにもかかってきた。先週くらいから、亀山市内にも数多くかかってきているという話を聞いたが、どのようなものか。
【署長】警察官をかたって金をだまし取ろうとする電話が1月末から、市内全域にかかってきており、数十件の相談や通報が来ている。「犯人を逮捕して押収したものの中にお宅の名義の通帳があった。銀行協会の者が訪問するので、それまでに全額下ろしておいて、その者に手渡してほしい。」とか、「口座を守るためキャッシュカードと暗証番号を渡してほしい。」とか、いろいろなパターンがある。名前もいくつも変えてかけてきているようである。1週間くらい、特定の地域に集中的にかかってくることが多い。
【副署長】今回は、亀山市だけでなく、鈴鹿市内にも多くかかってきている。
<委員>なにか、「カモリスト」のような名簿があるという話も聞いた。
【署長】高齢者などの名簿を何らかの手段で手に入れて持っているようである。いろいろな名簿が売買されているという話もあり、そのような名簿を元に電話をかけていると思われる。
<委員>家まで分かっているのか。家にまで押しかけてくるのか。
【署長】名簿には、住所、氏名、年齢などが載っていると思われる。断っているのに押しかけて来るということはあまり聞いたことがないが、現金を手渡しする際に受け取りに来ることはある。
<委員>強盗のように、無理矢理ということはあるのか。
【署長】それはない。ただ、だまされてしまって現金を渡してしまったという被害は発生している。このような電話は、電話に出て話をするとだまされてしまうので、電話に出ないことが一番の予防法である。かかってきた電話にすぐに出ないで、留守番電話にしておき、相手を確認してからかけ直すことにするのも良い方法である。
<委員>亀山市の人は、電話に出ない人が結構多い。これは、私の実感であるが、脳ドックの結果を連絡しようとして病院から電話しても、電話に出ない人が結構多い。留守番電話に用件を録音すると、すぐに折り返しかかってくる。本当に用事のある人は留守番電話に録音する。とりあえず電話に出ないと決めているようである。脳ドックの患者さん方は、まずほとんど電話に出ない。
【副署長】変な電話がかかってきて迷惑を受けたというような経験をした人は、そのように対応していると思われる。警察でも、相談を受けた時などは、まず留守番電話にした方が良いと助言している。それほど、広く実践されているという話を聞くと、嬉しい。
【署長】また、ナンバーディスプレイ機能があると、かかってきた電話番号が怪しいことが分かる。三重県警を名乗っているのに県外の市外局番だったり、非通知だったりする。電話で「警察」と名乗ってお金の話をするのは、詐欺だと考えてもらいたい。今のところ被害に遭ったという話は聞いていないが、広く市内にかかってきている状況である。昨年も還付金名目で3人の方が被害に遭っている。何とか0人にしたいと思っている。
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